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オカ君と話す。

なにかとなにかのすきまみたいなときに、ひょっと死んだ友人が現れる。


「あ、オーハシ君だ。元気ー元気ー」

「まあまあじゃないかな」

「相変わらず女衒みたいな商売してるのか。うらやましいのう」

「うるせーなー。そっちはどうなの」

「まあぼちぼちだわ。先週は渡し守の爺さんと三途の川に釣りに行ってきたし」

「あいかわらず釣り好きだなあ。そしてあいかわらずオヤジたちに人気な訳ね」

「まあオニはみんなおっさんや爺さんばっかだでなあ。あいかわらず愛と髪の毛が不足しとるんだけどね、うん」


死んだ友人はあいかわらず冗談なんだか本気なんだかわからない真顔で話している。ちょうど生きているときに、よくそうしていたように。


「まあまた来るわ。オーハシさんも元気でな。死ぬなよ」

「いやオカ君には言われたくないし」

「はっはっは。まったく母上には敵いませんな」

「それ『大岡越前』だし。 あ、そういえば俺、あんたがプーだった頃に作ってくれた、『越前MIX』のカセットテープまだ持ってるよ」

「おー、そういえば作ったなあそんなもの。・・・認めたくないものだな」

「『若さゆえの過ち』ね。クワトロね」

「やるな、小僧。んじゃまた」

「うん。またね」


死んだ友人は帰っていった。

どこへ?

さあ、わからない。


最近ぼくが知ったのは、かつてあの人が夢を持っていて、それが叶わなかった、ということだけ。ただそれだけ。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kentmere 400 f2.8 1/15
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by solalyn | 2013-09-18 00:34 | PROPOS | Comments(0)
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