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シンジへ

あれは俺が学校を卒業して二年目だったよな。


実家のそばのちいさな喫茶店に一人でふらっと入ったら、おまえがいたんだ。

中学卒業以来だったから盛り上がってさ。

俺は役者を目指してたし、おまえはいかしたバンドのベースマンだったよな。それから喫茶店の営業が終わった後、おまえと俺の彼女と三人で、ダベったりしたよな。

おまえはおぼえてるかな。おまえのベースでおれがSTAND BY MEなんか歌ってさ。彼女はカウンターのスツールで足をぶらぶらさせて俺らを見てたよな。

あのあと若かった俺たちはいろいろあって別れ別れになったよな。


俺さ、あの頃おまえがよく聴かせてくれたミッシェル、十数年ぶりに聞いたんだ。やっとちゃんと聞いたんだ。

俺さ、まだロック好きだったんだよ。忘れてただけだったんだよ。


おまえは笑うんだろうなあ。でも、どうしても言いたくってさ。

じゃあな。またな。


-THEE MICHELLE GUN ELEPHANT "Electric circus"を聞きながら-

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DATA:Leica M6 Summicron50/2 Kodak BW400CN f8 1/1000
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by solalyn | 2010-07-07 02:25 | PROPOS | Comments(4)
Commented by おはつ。 at 2010-07-08 18:14 x
いつまでも尖がっていたいと思ってても
いつの間にか体制の側に就いてたりして。

そんな時でも色褪せないのは
10代の頃の思い出だったりしますよねぇ。
Commented by solalyn at 2010-07-08 20:35
おはつさん江

そうですね。ま、年齢的にも反体制でもないですしね(^^;

たしかに。若いころの思い出ってのは、歩きつかれたときに杖になってくれるような気がします。
Commented by kentilford at 2010-07-15 20:40
>若いころの思い出ってのは、歩きつかれたときに杖になってくれるような気がします。

ぐさっときました。私、大人になりきれていないのか、本当におかしいのか
若い頃は我慢できていたことが、今は逆に我慢できなくなってきました。
反省せねば・・・。
Commented by solalyn at 2010-07-15 23:07
いつもありがとうございます^^

なるほどなるほど。でも、年々若返っている、素直になってきていると思えば悪くないことの様な気がします。ブレッソンも先年の映画の中で

「写真家は短気じゃないといけないんだよ」

ってなことを言っていた記憶がありますし。
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