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テクテク パチパチ

 先日、十五年来の写真の盟友とふた月ぶりに(いつもの、あの懐かしい三十代の日々に、われらが根城だった)サイゼリヤで話をした。そのときの彼の言葉。

「たくちゃん、写真はね、眼の延長でも手の延長でもありませんよ。足の延長なんですよ。足がぼくのまわりの景色をスクロールさせていってくれるんですよ。そうやって流れていく景色を、ぼくはただ撮るだけでいいんですよ」
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by solalyn | 2017-02-27 01:53 | PROPOS | Comments(0)

どこにもないところ

 島尾敏雄の小説『死の棘』のもとになった言葉が記されているという、聖書の「コリント人への第一の手紙」について検索していたはずが、いつの間にか横道に逸れていた。その横道に落ちていた言葉。

「ユートピア」という単語は、ギリシア語の”Ou(無い)”と”Topos(場所)”を、あるろくでなしのイギリス人がかけ合わせたものだという。

あ、「ろくでなしの」というのは、単なる個人的な直感で、根拠はありません。ではでは。
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by solalyn | 2017-02-05 23:14 | PROPOS | Comments(0)

女学生は死なず

 父方の大叔母であるクニヨは、「薩摩生まれのお転婆女学生が、そのまま年をとった」という女である。ころころとした容貌に相応しく、陽気でよく笑い、にぎやかなことがだいすきだった。

数年ぶりに会った彼女は、骨と皮だけにやせ細っていて、病室に入ったときには本人かどうかわからないほどだった。

でも、ベッドに近寄って目を見るとすぐにわかった。ああ、そうだ。この目だ。いたずらっぽく、きらきらしている目。

その日、孫やひ孫に囲まれた彼女は

「まあ、こんなに若い男に囲まれてしあわせだこと」

と言った。そういいながらも、しばらくするときっぱりこう言ったのだ。

「あなたたちはこんなところにいてはだめ。外で遊んでらっしゃい」

その台詞は、ぼくもちいさい頃彼女からよくいわれたものだった。

帰り際にぼくは、「クニヨ、遺影を撮るからポーズして」とせがんだ。彼女はちょっと笑い、親指がするするとあがってきて


カチ 
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by solalyn | 2017-02-01 03:07 | PROPOS | Comments(0)

Love to Thanatos

 先日、四年半ぶりに死神がやってきた。

今回はニヤニヤ笑うだけで帰っていった。ひらひらと手を振りながら遠ざかっていったその後ろ姿は、どこか自裁した友人に似ていたことに、数日後に気が付いた。
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by solalyn | 2017-01-16 13:36 | PROPOS | Comments(0)

彼方此方

 あるとき、偶々同じ時間に同じ場所にいた二人の男。

なんということもない、その風景が、人知れず永遠に定着される。

写真は不思議だ。

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by solalyn | 2016-12-16 20:39 | PROPOS | Comments(0)

力点(パワーポイント)を越えて

こどもは、隙あらばわけもなく駆け出す。

大人は、目的がなければ走らない。

ちいさい彼らを見ていると、この目的だらけの世の中を、ほんの一瞬だけ忘れられて、いい気持になる。
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by solalyn | 2016-12-05 18:50 | PROPOS | Comments(0)

ギフト

 昔の言い方で、病気になることを「病を得る」という。

そう考えると、病人というのは、半ば神様みたいなものなのかもしれない。
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by solalyn | 2016-11-29 00:31 | PROPOS | Comments(0)

今夜はスウェーバック

 (ブログの更新のやる気がなかなか起きないな)と思っていると、自分の中のカス・ダマトが叱咤してきた。

「おい、てめえのパンチはそんなに一発が重いのか?」

「ちがうだろう。おめえのへなちょこパンチはな、手数を出してナンボなんだよ」

「おい聞いてやがんのか、この『無名の』傑作主義野郎が」


オーケイオーケイ。あんたの言う通りさ。

まったくうるさいじじいだ。おかげで更新できたがね。
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by solalyn | 2016-11-25 11:27 | PROPOS | Comments(0)

写真展まだやってます。

 こんばんは。

さて、今年の写真展も残すところ一週間を切りました。まだの方はぜひ。「もう見たよ」という方々も、よろしければまたいらしてくださいね。ではでは。

追伸:ただし09/30(金)はラッキードラゴンえんさんは休日なのでご注意くださいね。
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by solalyn | 2016-09-26 02:44 | PROPOS | Comments(0)

スリット

 私たちの自己や世界は、物語を語るだけでなく、物語によってつくられる。そうした物語はとつぜん中断され、引き裂かれることがある。また、物語は、ときにそれ自体が破綻し、他の物語と葛藤し、矛盾をひきおこす。

 物語は、「絶対に外せない眼鏡」のようなもので、私たちはそうした物語から自由になり、自己や世界とそのままの姿で向き合うことはできない。しかし、それらが中断され、引き裂かれ、矛盾をきたすときに、物語の外側にある「なにか」が、かすかにこちらを覗き込んでいるのかもしれない。


― 岸政彦 『断片的なものの社会学』 より ―
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by solalyn | 2016-09-08 00:41 | WORDS | Comments(0)