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ぽろりんちょの歌

先日、息子(中一)を助手席に乗せて車を運転していたときの話。

テストの結果を聞いたら寝たふりをしたので、ぼくはその場でとっさに思いついたオリジナル曲を披露した。


おっぱい ぽろりんちょ~


息子はたまらずゲラゲラ笑い出した。その後、ため息交じりにぼくに向かって言った。

「普通逆でしょ」

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DATA:Pentax LX SMC Pentax-M 50/1.7 Kodak BW400CN f3.5 1/60
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by solalyn | 2012-06-01 00:20 | PROPOS | Comments(0)

Requiem

神主がなにごとかを発し、ぼくはいつものように両肩からカメラを下ろして頭を垂れた。

神前結婚式の撮影。いつものことだ。ただ、その日はひとつだけ、いつもとちがうことがあった。前日に学生時代からの二十年来の友人が自殺したことを知らされていたから。


書き置きに、ぼくの名前があったと聞いた。知らせてくれと。死んでいたら、知らせてくれと。

救えなかった。


神主の言葉は続いている。ぼくは普段通りに仕事をこなしつつ、ぼんやりと考え続ける。


あのときのあれは?

いや、そもそももっと前のこのときにはもう・・・?


神主の言葉が終わり、お祓いがはじまった。頭を垂れたままの一同の上をあのシャラシャラしたコヨリの親分みたいな棒が振られる。


風の音がした。

大きな樹々の下で、枝の間を風が渡り、たくさんの葉が鳴っているような音。


そうか、お祓いって、体に森の風を通すことなんだな。

そう思いつくと、今度は別の声が聞こえてくる。なじみ深い、どこか訥々とした、シニカルな、でも暖かい声が。


「またそうやってきれいに終わらせようとする。大橋はすぐそうやってなんでも美化しようとするでな」

ぼくだって負けていない。すぐに反論する。

「うるさいなあ。今回だけは言わせないよ。美化しようがどうしようが俺の好きにさせてもらうから。文句は俺がそっちに行ったら・・」


ぼくはいったん両眼を強く瞑りなおしてから、眼を開けてカメラを両肩に提げた。
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DATA Leica M6 Summicron 50/2 Kodak BW400CN f8 1/125
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by solalyn | 2012-05-09 01:17 | PROPOS | Comments(4)

川を渡る

バスに乗るときは、後ろのほうの窓際の席に座るのがすきだ。座って車窓の景色を眺めたり、写真を撮ったりしたいから。家人と所用のために乗りこんだその日も、そうやってカメラを持ってぼんやり車窓を眺めていた。

「ほんとにひどかったわよ」

ぼくの座席のちょうど真後ろあたりから、年配の女性らしい声が聞こえてきた。どうやら二人連れらしかった。聞くとはなしに会話を聞いてしまう。

「そうなのねえ」

「とにかくギャンブルが好きで好きでねえ。娘もまだちいさかったし、ホントによく我慢したと思うわ」

「娘さんがいくつの時に出たんだっけ」

「12のときよ」

「でもねえ。ご主人、死ぬまでずっとあのアパートに住んでたなんてねえ」

「そうなの。あたしも聞いてびっくりしちゃって。あれから30年もねえ」

「帰ってくるのを待ってたのかもしれないわよ。引っ越しちゃうと、ほら、わからなくなっちゃうから」

しばらく沈黙があった。バスは浅草を越えて、大川を渡るところだ。ぼくは水面になにか-たとえばネッシーやらクッシーやらタマちゃんやら-を見つけたように目を凝らすフリをしていた。そうこうするうちに、もうすぐ開業する巨大な塔が見えてきた。昔TVで見た、有名人の豪華ホテルでの結婚式に出てくるケーキみたいな塔。

「そういえばね、こないだ夢に出てきたのよあの人」

だしぬけにまた声が聞こえた。

「あたし、あのアパートに帰ってるの。あの人もいるの。でもね、部屋がね、うんと広いのよ。そりゃあもうびっくりするくらいに。それであの人、笑ってるの。ねえ、おかしいでしょう」
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DATA:Leitz minolta M-Rokkor QF 40/2 f8 1/500
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by solalyn | 2012-03-28 02:26 | PROPOS | Comments(4)

ひきうける

ひとにやさしくされると にげたくなる


ぼくはそんなことされるのにふさわしいにんげんじゃあありません って

じゃあ どんなにんげんなのか

かんがえてみる かんがえてみるがよくわからない


にげたくなるくせに よろこばせるのがすきで

にげたくなるくせに わらわせるのがすきで

われながらこまったものだと おもったり おもわなかったり


すぐににげたくなるぼくなのに

ぼくのまわりのひとたちは ぼくのことをにこにこみてくれる

すぐににげたくなるぼくなのに

きづいたら まわりでたくさんのひとが にこにこにこにこしてくれていた


よろこばされたり わらわされたりしていたのは ぼくのほうだった


ひきうけよう、とおもった


もうにげない



たぶん


ひょっとすると


あるいは


おそらく


とにかく そんなことをかんがえた
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak BW400CN f8 1/125
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by solalyn | 2012-01-24 01:45 | PROPOS | Comments(0)

陋巷に在り

「おまえはさ、弱いんだよ」

その日、マスターは大荒れだった。


ここはうちの近所のバーで、マスターと奥さんの二人でやっている。マスターの本業はデザイナーで、いろいろ苦労してきたひとらしい。まあ、苦労していないひとなんていないってことくらいは、いくらぼんやりのぼくでも最近はなんとなくわかってはいるつもりだけれども。もう38歳だし。まあ、そうは言っても、いざ酔っぱらったマスターの矛先が自分に向いてきて、(こりゃなんか不穏だなあ。いつ帰ろうかなあ)とか思っていた矢先にそう言われて、ぼくはちょっとムッとした。

「そんなことないですよ」

そういうことばが喉元まで出かかったけれど、なにも言えない。ぼくはあいまいなにやにや笑いを浮かべながら、

「まあねえ。弱いと言われれば、その通りですけど」

とかなんとか答えてしまう。ずるいな、ずるくなったな、などと考えながらレモンサワーを飲む。このひとのほうがずっと正直だ。ずっとずっと正直だ。


一週間後に顔を出すと、マスターは店の隅っこでタブレットのお気に入りのゲームをやっていた。人食いザメのゲームだ。顔をあげてぼくだと気づくとなんともいえない表情をした。ぼくはすかさずとっておきの元気な声で、

「まいど。レモンサワーください」

と言った。


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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak BW400CN f2 1/15
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by solalyn | 2011-12-07 00:01 | PROPOS | Comments(6)

いいおんな

ぼくがいつも連れ歩いている彼女を見たとき、人の反応はさまざまだ。

断片的なイメージで語る人。それはもう、好悪を問わない。

うつくしい。古典的。古臭い。ブランドの匂いがプンプンする。

熱狂的なファンであることを隠さない人。隠す人。

「長く付き合うのには最高だよね」

とか

「じっくり撮るには最高だよね」

とかね。

・・・撮る?


帰宅して彼女に話しかける。

「ねえ、ぼくは君は『じっくり撮る』っていうよりは、『世界でいちばん人間に近くて、いちばん速く撮れる』って気がずっとしてるんだ。でも、そういうひとはあんまりいないよ。どうしてなのかなあ」

「そうねえ・・・あなたが言うようにわたしは本来はそういうものだったわ。でもね、今はファッションの時代なのよ。わたしはスノッブな現代人の、小粋な小道具に変わった。いいえ、変えられちゃったの。わたしの言っている意味、わかるかしら?」

「正直なところ、よくわからないんだ」

「おバカさん。でもね、あなたのそういうところ、とてもすきよ」


彼女の名前は、ライカっていう。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak BW400CN f2 1/30
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by solalyn | 2011-10-27 23:31 | PROPOS | Comments(4)

順番のはなし

早いもので、上京してからもう二年が過ぎた。

そう書くとなんだかおおげさだけれど、息子に会いに行くためにちょくちょく実家に帰っているのであまり感慨はない。(ああ、もう二年か)くらいのものだ。

でもそうやって実家を離れて気づいたこともある。たとえば父が毎朝仏壇に線香をあげて手を合わせていること。

深夜バスが早朝に着くからということもあるのかもしれないが、実家住まいの頃は気づかなかった。父はとくに信心深いほうではない。どちらかといったら不信心者に近いたちの人間だ。モダンジャズがすきだし。いや、それは関係ないか。

とにかく、そんな父がぼくが帰るたんびに合掌している。これはもう、毎朝の日課だと思って差支えないだろう。(いつからなんだろう)そう考えていたら思いだした。

ぼくの祖母、つまり父の母が亡くなってからのような。

ぼくもいつかは、ああやって毎朝手を合わせるようになるんだろうか。そのときはなにをおもって手を合わせるんだろう。自分の順番が来るまで、その答えはたのしみにとっておくことにする。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak BW400CN f5.6 1/125
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by solalyn | 2011-09-27 00:13 | PROPOS | Comments(2)

Back to the future

最近、シンコクなことをシンコクな顔で考えていたりすることが増えた。

まあ、もちろんオトナなのだからそれはそれでアタリマエだし一面ではイイコトなのかもしれないが、ずっとやってると疲れるし、やっぱり飽きる。


家人も寝静まった夜更けに、換気扇の下で煙草を呑みながらふと思い立って

「こっこまーでおーいで べーろべーろばああーーー」

と、口に出して言ってみた。もちろん片手は耳の横に、もう一方の手はアッカンベーをしながら。


あれ。なんかすっきりしたな。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak BW400CN f5.6 1/250
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by solalyn | 2011-07-29 01:40 | PROPOS | Comments(2)

やっぱり

餅は餅屋。

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DATA:Leitz minolta CL Kodak BW400CN f8 1/125
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by solalyn | 2011-05-22 21:54 | PROPOS | Comments(4)

Rhythm

街ごとにある リズム

人ごとにある リズム

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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF Kodak BW400CN f5.6 1/125
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by solalyn | 2011-04-12 20:37 | PROPOS | Comments(2)