スリット

 私たちの自己や世界は、物語を語るだけでなく、物語によってつくられる。そうした物語はとつぜん中断され、引き裂かれることがある。また、物語は、ときにそれ自体が破綻し、他の物語と葛藤し、矛盾をひきおこす。

 物語は、「絶対に外せない眼鏡」のようなもので、私たちはそうした物語から自由になり、自己や世界とそのままの姿で向き合うことはできない。しかし、それらが中断され、引き裂かれ、矛盾をきたすときに、物語の外側にある「なにか」が、かすかにこちらを覗き込んでいるのかもしれない。


― 岸政彦 『断片的なものの社会学』 より ―
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-09-08 00:41 | WORDS | Comments(0)

ってね。

 唐突ですが、ぼくは中島みゆきなら、「蕎麦屋」という曲が好きです。
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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-07-11 22:39 | PROPOS | Comments(5)

とどまれ。

 時々は、ありきたりなことばが、愛の言葉だったりすることもある。

「風邪、ひかないでくださいね」

「また会いましょうね」


なんてうつくしいんだろう。
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DATA:Olympus OM-1 M-Zuiko 35/2.8 Fuji Presto 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-07-03 01:20 | PROPOS | Comments(0)

大川べりを

 この上がりを見たとき、「猛スピードで母は」というタイトルの本を思い出した。

だれが書いた本なのか、どこで見かけたのか、読んだ本なのか、本屋で一瞥しただけなのか、そもそも本当に存在した本なのか。

でもまぁ、いいや。調べなくても。縁があればまたそのうちに。なければハイソレマデヨ。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-06-23 20:56 | PROPOS | Comments(0)

"If you build it, he will come."

 いつも古くさいフィルムカメラをぶら下げているので、ときどき人に尋ねられることがある。

「なにを撮るんですか?」

そういうとき、答えに窮していったん口ごもってしまう。そして、結局はいいかげんに答えてしまうことが多い。

いやー、なんかまあこう、街をふらふらと。用事の合間にですね、云々。云々。

でもほんとうは、なにを撮るかはものすごくはっきりしているのだ。ただ、「それ」には名前がなく、いつ訪れるかもわかっていないだけで。
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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak Tri-X 400 f5.6 1/250
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# by solalyn | 2016-06-09 23:13 | PROPOS | Comments(0)

光画

 80年前のレンズを通したひかりを、期限切れのプレスト400に焼き付ける。

いやはや。
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DATA:Contax Ⅱ Sonnar 5c.m./1.5 Fuji Neopan 400 Presto f8 1/250
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# by solalyn | 2016-05-31 02:23 | PROPOS | Comments(0)

ガブル。ガブル。

 使い始めて数年が経過したぼくのコンタクトレンズは、ここのところ装着してもずっと調子が悪かった。

(あー、劣化していくんだな、すべては)

などとP.K.ディック的な感傷に浸っていたある日、ふと思いついて左右を逆にはめてみた。


ただ逆にはめていただけだった。

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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-05-24 19:38 | PROPOS | Comments(0)

よすが

 そう遠くない未来の話、私がこの地上と分かれる日が来て、私の好きなシーンや形、たとえば暮れなずむ隅田川、青いウィーンの森、配偶者とのウィットに満ちた会話、首をのけぞらせて笑うガールフレンドの仕草など、こまごました地上の記憶と別れなくてはならなくなった時、私がカメラで記憶にとどめておきたいのは、ライカM型の両側がカーブした、あの丸みである。


― 田中長徳 『チョートクのカメラジャーナル No.3』 所収 「ライカ 今は仕事の道具 そして将来は地上の思い出?」 より ―
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DATA:Leitz minolta CL M-Rokkor QF 40/2 Kodak Tri-X 400 f2.8 1/30
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# by solalyn | 2016-05-07 01:20 | WORDS | Comments(0)

高貴な野良

 (略)若者が活力をもつためには、社会から馴致(じゅんち)されるな、ということである。古いことばでは、

「不羈(ふき。羈は手綱)」

という。手綱で制御されないという意味である。

ただし、この場合のむずかしさは、自分で自分の倫理を手製でつくらねばならないことである。しかも堅牢に、整然とである。でなければ、社会に負かされ、葬られる。

人間は大思想や社会によって馴致されて人間になるといいながら、じつは、古来、真に社会に活力を与え、前進させてきたのは、このような馴致されざるひとびとだった。


― 司馬遼太郎 『風塵抄 二』 所収 「飼いならし」 より ―
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-04-16 17:13 | WORDS | Comments(0)

Fission or Fusion

イワタ君とトダさんをぶつけてみた。

うひょー。

たのしい四十代が待ってるなこりゃ。
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DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Kodak Tri-X 400 f8 1/1000
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# by solalyn | 2016-04-09 01:23 | PROPOS | Comments(0)