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All Along the Watchtower

今夜(というか、もう昨夜か)、写真教室の生徒さんがちょっとぶりに拙宅へ遊びに来た。「生徒」さんと言っても、去年の九月に卒業しているので、ほんとうはもう生徒ではない。でも、ふざけ半分なのか習慣になってしまっているからなのか、いまだに、

「センセー、センセー」

と言ってくれるので、こちらもなんとなく教室気分が抜けないところがある。


さてそれでなにをするかというと、なにもしない。ただ一緒に夕飯を食べて、煙草を呑み、だらだらと話すだけである。なんというか、息子がまだ小さかった頃に、公園に連れて行って、ベンチに腰掛けて彼を見ていたのに似ている。なにができるわけでもないが、そうやってぼくがベンチにいるだけで、息子は遠くまで行ってはしばらく遊び、ときたまベンチまで戻ってくる。そうしてぼくが相変わらずぼやっと腰掛けている姿を見ると、また遠出に行く。その間隔と距離がだんだん長くなっていって、それは今も続いている。


生徒さんは帰り際に、「あーすっきりした!」と言って帰っていった。息子が駆け出していくときの顔に似ていた。
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by solalyn | 2015-01-23 23:58 | PROPOS | Comments(2)

事件は会議室で起きてるんじゃない 現場で起きてるんだ

「おーい」

「なんだよ」

「俺よう、すげーことに気づいちゃったぜ」

「だからなんだよ」

「織田裕二と向井理は、声質が同じだ」
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by solalyn | 2015-01-22 02:12 | PROPOS | Comments(0)

ほんとうのこと

「ねえ、いまから、ほんとうの、ないしょの話をするわね」

「うん」

「あのね」

「うん」

「あのね」

「うん」

「やっぱりやめた」
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by solalyn | 2015-01-17 02:37 | PROPOS | Comments(2)

その一点を

私は写真自体には興味はない。ただ現実の中の一瞬間を捕らえたいだけである。

- Henri Cartier-Bresson -
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DATA:MINOLTA CLE M-Rokkor 28/2.8 Kodak Tri-X 400 f8 AE
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by solalyn | 2015-01-10 19:17 | PROPOS | Comments(2)

ぼくらはともだち

 (略)西郷を敬愛するあまりその愛情の量だけの憎悪を大久保にむける伝統的人情が日本人の表につづいてきたが、大久保の人間についても、この時期のかれの悲痛な心境についても、その感触はたまたま政敵になった西郷にだけしかわからないのかもしれない。西郷と大久保は年少のころからの友達であるだけでなく、幕末においてこれほど互いに信じあった盟友というのは、単に友情史というだけの面をとらえても、日本人の歴史のなかではまれであるかもしれない。
 
明治後、二人の間に、国家が介在するようになった。いかなる国家を創造するかということについて、この二人は、極端にいえば、ふたりだけがその作り手の立場にいた。ただこの場合、二人のあいだで、作るべき国家像が両極のようにちがってしまったということのみがある。

さらには二人が背負っている火炎のごときものも、二人だけに共通し、二人だけしかその実感が通じあえなかった。旧主島津久光のことであった。この久光という、この当時、保守思想家のなかではその思想が極端ながらも第一級の教養人である人物が、西郷と大久保を指さして、

 「不忠者」

とののしりつづけていたという事情である。西郷も大久保もこの旧主から不忠という武士に対して決定的な悪罵を投げられつづけることについて、少年のように心を痛ませており、ときに死の衝動にかられることもしばしばであった。この二人のもつ苦渋は、同藩の者にもわからず、まして長州人には想像を絶するものであった。その苦渋を共有しているという場において、西郷も大久保もたがいに相手に対してひそかに涙を流しつづけているような心の消息が感じられる。


‐ 司馬遼太郎 『翔ぶが如く』 より ‐


あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますm(__)m
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Hasselblad 500 c/m Planar 80/2.8 Fuji PN400N f8 1/500
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by solalyn | 2015-01-04 14:11 | WORDS | Comments(2)