<   2012年 10月 ( 3 )   > この月の画像一覧

夢十夜

こんな夢をみた。


昔のデパートの屋上のようなところにいる。遠くまで低いビルや家並みが拡がっている。

(ああ、まるで怪獣映画のセットみたいな景色だな)

などと思う。


気づくとビルの中を走っている。途中で女に出会う。見知らぬ女。なにか言っている。

「首からあごにかけてのラインにしわが寄ってきてる気がするの」


よくみると、女はちょうどその辺りから脱皮し始めているのだった。そこで目が覚めた。

c0226955_2222444.jpg

DATA:Leica M6 Summicron 50/2 Ilford XP2-Super f2 1/15
にほんブログ村 写真ブログ モノクロ写真へ

[PR]
by solalyn | 2012-10-23 23:54 | PROPOS | Comments(0)

光景

安土セミナリオで聴いたあのふしぎな楽器の音色は、藤吉郎は終生わすれられないであろう。あの日、藤吉郎は信長に扈従してセミナリオを参観した。

このとき(中略)武家貴族の少年たちが、賛美歌をうたい、オルガンを弾いてみせた。藤吉郎はその音色の妙なることにおどろいたが、それ以上におどろいたのはそれに聴き入っている信長の秀麗な横顔であった。

信長はもとより音楽をこのみ、よき笛師や鼓師をかかえていたが、かれもこの世でこれほど微妙な諧律をきいたのはむろんはじめてであったであろう。

信長はそのオルガンに寄りかかり、心持首をかしげ、すべての音を皮膚にまで吸わせたいという姿勢で聴き入っていた。藤吉郎のおどろいたのは、その横顔のうつくしさであった。藤吉郎は信長につかえて二十年、これほど美しい貌をみせた信長をみたことがなく、人としてこれほど美しい容貌もこの地上でみたことがない。その印象の鮮烈さはいまも十分に網膜の奥によみがえらせることができるし、時とともにいよいよあざやかな記憶になってゆくようでもあった。


‐司馬遼太郎 「新史 太閤記」 より‐
c0226955_1526073.jpg

DATA Minolta CLE M-Rokkor 28/2.8 Ilford XP-2 Super f8 1/1000
にほんブログ村 写真ブログ モノクロ写真へ

[PR]
by solalyn | 2012-10-17 15:59 | WORDS | Comments(0)

片岡義男に首ったけ

ぼくは十年ほど前から片岡義男の愛読者だ。

単純に、ファンだ、と言い換えてもいいかもしれない。

当時、ブックオフの105円コーナーで、赤い背表紙の古い角川文庫(表紙が素敵な写真のヤツだ。十年前はまだまだたくさんあったのだ)を買いあさったものだ。

彼の作品のなにが魅力か。一言では言い表せないが、ぼくは彼の付けるタイトルが、とてもすきだ。

すきなものを思いつくまま列記してみる。


友よ、また逢おう

スローなブギにしてくれ

彼のオートバイ、彼女の島

人生は野菜スープ

ボビーに首ったけ

波乗りの島

マーマレードの朝

愛してるなんて とても言えない

いい旅を、と誰もが言った

ときには星の下で眠る

味噌汁は朝のブルース

俺のハートがNOと言う

and I Love Her

Ten Years After

彼女が風に吹かれた場合

美人物語

こちらは雪だと彼女に伝えてくれ

B面の最初の曲

さっきまで優しかった人

彼らがまだ幸福だった頃

ラストシーンの出来ばえ

私は彼の私

嘘はほんのり赤い

あの影を愛した


日本のバブルはなにも生まなかったという人がいたら、ぼくはこう答えるだろう。

「ぼくはそうは思いませんね。片岡義男を生みだすことができたのですから」

c0226955_313965.jpg

DATA:Minolta CLE M-Rokkor 28/2.8 Ilford XP-2 Super f8 AE
にほんブログ村 写真ブログ モノクロ写真へ

[PR]
by solalyn | 2012-10-09 03:31 | PROPOS | Comments(4)