1934年製のカメラで、1973年製のぼくが2000年製の息子を撮った一年前の写真。
1944年に37才でサイパンで自決した祖父も写真好きだったらしい、と数年前に聞いた。
不思議なもんだなあ、と思う。
もちろん、1934年製のカメラは祖父のものではないんだけれども、いったんそのことを思い出してから眺めると、カメラは祖父から贈られたもののような気がしてくる。
「昔は密着でやいたもんだよ」
「あーあー、シャッターはチャージする前に変えんといかんぞ」
ぼくの傍らに、うれしそうな祖父がいるような気がしてくる。
DATA:Super Ikonta 530 Tessar 7cm/3.5 Fuji PN400N f4 1/100